【全・日】本所サブタイトル

皮革技術センター [皮革全般]

H1

平成27年度研究の概要(2)

コンテンツ
テーマ DNAによる皮革の鑑別技術の開発
計画 平成26~27年度
目的 皮革の鑑別は、表面の模様や繊維構造の差を利用して種類を推定しているが、この方法では、牛革と馬革や羊革と山羊革のように構造が類似しているものの判別は非常に困難である。食肉や穀物の判定では、精度が高く再現性もあるDNA鑑定が広く利用されているが、皮革からDNAを抽出することは困難であると考えられていたため、皮革でのDNA鑑定は実用化されていない。しかし、品質表示を適正に行うために、製品の流通段階で確実な畜種の判定を求められることが増えている。皮革技術センターでは、平成23~25年度にかけて、皮革からDNAを抽出する方法を検討した結果、各種方法を組み合わせることにより高い確率でDNAを抽出する方法を明らかにした。この抽出法を利用することで、皮革のDNA鑑定が可能になると期待される。したがって、当センターで検討したDNA抽出方法に基づき、市場で流通している各種皮革製品のDNA鑑定を可能にすることを目的とする。
内容 DNAによる皮革の鑑別技術を開発する。すなわち、抽出したDNAを基に畜種を鑑定するため、PCR分析やDNAの塩基配列解析等の技術を応用し、下記について検討する。
平成26年度:構造が類似した皮革(牛革、馬革)のDNA鑑定
平成27年度:構造が類似した皮革(羊革、山羊革)のDNA鑑定
効果 DNA鑑定により革の畜種の判定が確実になることで適切な品質表示が可能になる。企業間の商取引において皮革の種類が不明であることに起因するトラブルの解消に繋がる。