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皮革技術センター [ 皮革全般 ]

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平成30年度研究評価部会報告

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平成30年度 東京都立皮革技術センター推進協議会・研究評価部会 報告

平成30年度第1回東京都立皮革技術センター推進協議会研究評価部会が、平成30年6月19日に開催された。平成31年度実施予定の研究課題についての事前評価が行われた。

研究評価部会委員

外部より選任された委員(7名)

事後評価対象の研究テーマ

事前評価対象の研究テーマ(研究期間)

(1)濃色豚スエードの染色堅ろう度向上
(平成31年4月1日~平成34年3月31日)

(2)多方向荷重からの婦人ヒール靴の安全性に関する試験方法の開発
(平成31年4月1日~平成34年3月31日)

研究テーマの事前評価結果等

濃色豚スエードの染色堅ろう度向上

(1) 研究の目的・内容
皮革の染色には一般的に酸性染料が用いられているが、皮革は湿潤時の耐熱性が低く、高温での固着処理ができないため色落ちしやすい。特に、スエードやヌバックなどの起毛革は、塗装仕上げを施さないため、色落ちを防ぐのが難しい。そのため、濃色豚スエードの用途は色落ちが問題にならない靴甲革用などが多い。豚スエードの新たな用途展開を行っていくためには色落ちしにくい革が求められる。反応染料は綿などのセルロース繊維に対しては高堅ろう度の染色物が得られるため広く用いられているが、皮革に用いる場合は濃色が出にくく、風合いが硬くなるなどの理由から普及していない。過去には、牛革や羊革を対象に皮革用反応染料を用いた研究成果があるが、豚スエードにおける報告例はほとんどない。そこで、豚スエードにおいて、反応染料を用いた染色方法を検討し、濃色かつ高堅ろう度となる効果的な処方を見出す。

(2) 評価
部会としてA(提案通り実施)と評価する。これまで実用化されていなかった高染色堅ろう度の濃色豚スエードの製造を可能とする夢のある課題である。

多方向荷重からの婦人ヒール靴の安全性に関する試験方法の開発

(1) 研究の目的・内容
現在、皮革技術センター台東支所では、ISO 22650に基づきヒール取付強さを測定している。この試験方法はヒールを後方(かかと方向)に引っ張り、ヒールの靴本体に対する固定程度を測定する試験方法である。しかし、実際のヒール取れの事故には後ろ方向に取れるだけではなく、ヒールが前方(つま先方向)に向けて取れる場合などもあり、現在の試験方法では対応できていない。複数の靴メーカーから、このような事故に対応した新たな試験方法を確立するよう要望が出ている。そこで、婦人靴のかかと部に様々な方向からかかる荷重とヒール取付強さとの関係を明確にして、婦人靴の安全性の視点から新たな試験方法を確立し、製造工程改善やクレーム・事故の未然防止に役立てる。

(2) 評価
部会としてA(提案通り実施)と評価する。ISOにもない多方向からの荷重による試験方法の開発を行うことは、ヒール事故の安全性に鑑み、特に重要で公共性、必要性、緊急性のある課題である。