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平成29年度研究評価部会報告

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平成29年度 東京都立皮革技術センター推進協議会・研究評価部会 報告

平成29年度第1回東京都立皮革技術センター推進協議会研究評価部会が、平成29年6月6日に開催された。平成28年度に終了した研究課題についての事後評価が行われた。

研究評価部会委員

外部より選任された委員(7名)

事後評価対象の研究テーマ

(1)加脂剤の種類や添加量が製品革の特性に及ぼす影響
(平成26年4月1日~平成29年3月31日)

各評価結果

加脂剤の種類や添加量が製品革の特性に及ぼす影響

(1) 研究の成果
豚革製造において、求める風合いの革を効率的に製造するために、加脂剤の種類や添加量と、革の風合いや温熱特性との関係を明らかにすることを目的とした。加脂剤の種類については、ラノリン、サメ油及び大豆レシチンの3種類の加脂剤にアニオン性加脂剤3種類(スルホン化菜種油、亜硫酸化魚油、硫酸化牛脚油)を組み合わせた9種類の混合加脂剤を用い、革の風合いや温熱特性に対する影響を比較した。ラノリンは、いずれのアニオン性加脂剤と組み合わせても、サメ油や大豆レシチンを用いた場合よりも「柔軟性」には劣るが、「ふくらみ」と「なめらかさ」に富んだ革を与えた。大豆レシチンは、硫酸化牛脚油との組み合わせで、「柔軟性」と「なめらかさ」の高い革を与えた。加脂剤の添加量の影響については、亜硫酸化魚油をベースに、ラノリン及び大豆レシチンをウェットブルー重量に対して4、8、12及び16%添加して比較した。ラノリンを亜硫酸化魚油に加えた場合の風合いに及ぼす効果は、総添加量が変化してもほぼ一定割合で推移した。大豆レシチンの場合、添加量の増加とともに「柔軟性」を大きく低下させるが、添加量1.7~3.4%では「ふくらみ」と「なめらかさ」が向上した革を与えた。これらの知見は、求める革の風合いに応じた処方改善に役立つ。

(2) 評価
部会としてA(良い)と評価する。本研究は、衣料用豚革について、特に風合いや温熱特性に注目し、加脂剤の種類及び添加量を計画的に変えて製造を試み、多岐に亘る求める風合いの革が提供できる処方を科学的計測によって明らかにしたものであり、このことは、皮革製造技術の向上に大いに役立つ成果といえる。